微量要素葉面散布剤肥料 リンゴに葉面散布の上手な使い方


          果実品質に伴う果樹生理障害と対策
          ビターピット・コルクスポット・ホウ素欠乏及び過剰障害・苦土欠乏

【ビターピット・コルクスポット症状】
 発生部位が果皮直下で多いのは、果皮直下の果肉中カルシウム濃度が果実内で最も低いのが原因と考えられます。窒素施用の過剰、強剪定あるいは若木などのように樹勢が強く、大きい果実を生産するような状態で発生が多く、気象的には6月〜7月にかけて雨が少なく、8月〜9月に雨が多い年に発生が多く見られます。このような条件下では、果実と葉と枝との間にカルシウムの競奪があり、果実への吸収が8月末頃でほぼ終わり、その後の果実肥大によってカルシウム濃度が低下することで発生が多くなります。

 ▼対策  
アクアカル (液体有機酸カルシウム) CaO 12%

 ビターピットなどの発生を防ぐには、まず樹勢を落ち着かせることが基本です。このことで果実に十分カルシウムを供給させることができます。極端な強剪定、強摘果などを樹勢を強めないよう注意しましょう。また、根から吸収されるカルシウムは果実より葉に多く移行する傾向がありますので、葉面散布剤
「アクアカル」の散布を行うことでカルシウムの移行を助け、果面保護や果実の硬度低下防止に役立ちます。

 リンゴのカルシウム濃度は生育初期の6月初旬から著しく低下し始めますので早めに散布します。
 ・ 落花後から 農薬混用 1000倍 で 6月上旬から7月中旬まで4回位 散布して下さい。


【ホウ素欠乏・過剰障害】
 幼果期(6月上旬〜中旬)に果実の赤道部からていあ部にかけて果実表面からつゆを出したり、水浸上の斑点が現れます。また、外観が正常にもかかわらず果肉内にコルク化した組織が見られることがあります。この部分は発育が止まるので果実はゆがんで奇形となります。
 ホウ素欠乏が激しくなると新梢の生育が低下して先端が枯死したり、葉がヤナギのように細長く密生し葉に黄斑が生じたり、実止まり不良が起こります。
 ホウ素は微量要素であり、要求量の適正範囲が狭いため過剰障害も発生しやすくなります。「つがる」「ジョナゴールド」の有袋果で早期熟成、着色不良が見られまた内部褐変が発生することもあります。果実着色は葉中ホウ素濃度が 60ppmまでは着色を良好にすることが確認されています。

 ★ ホウ素の働きは果実生産にとって重要な要素のひとつです。

 果実の大きさは細胞の数と細胞の肥大によって決まります。細胞分裂が活発に行われるのは、およそ開花後2〜4週間後でこの時期に十分な細胞数が確保されなければ、大玉生産には結びつきません。また、ホウ素は植物の無機ホルモンとも言われ、細胞の分裂や花粉の受精を活発にする働きを助けます。特に「ふじ」などの品種は発育初期からほぼ終了する 10月頃まで発育に伴ってホウ素が果実へ吸収し続けます。現在完熟果の象徴として蜜入り果が好まれていますが、蜜入りとホウ素は相関的に関係します。ホウ素はカルシウムとは逆に働き、成熟を促進する働きがあります。ホウ素の葉面散布が果実の蜜入りを促進させ、酸含量の低下も早くなり、果実の成熟が促進されていきます。しかし、果実硬度の変化とは逆の様相を示します。普通成熟に伴って果肉硬度は徐々に低下するが、その低下の程度はホウ素を散布した果実ほどおさえられています。

 ▼ 対策  
ヨーヒB5 (有機酸液体葉面散布肥料) 
             
ホウ素 5% 微量要素成分量 9.45%
 ホウ素は果実品質を向上させる大切な要素ですが、適正範囲が非常に狭いこともあり、ホウ素肥料を土壌に一旦施肥すると過剰害が発生した場合、阻止することが非常に難しく連年の土壌の施肥は避けなければなりません。葉面散布は土壌への残留などの心配もなく、短期的に施肥できます。

 ・ 初期生育の促進に、開花直前と落花期防除ごと散布    農薬混用 800倍
  花が多い樹や発芽不揃の樹など樹勢のコントロールに。
 ・ 幼果期から収穫後まで防除ごとに散布          農薬混用 800倍
  結実の促進・隔年結果防止・肥大促進・花芽の充実・品質向上・熟期促進に。


【苦土欠乏】
 葉の褐変と落葉が主な症状です。葉脈間あるいは葉縁に現れて広がるにつれ落葉します。基部葉及び基部葉から数えて6枚目あたりから始まり頂部葉へと進行します。開花期から落花後1ヶ月までの間に一時的に果そう葉を中心に発生することがありますので注意しましょう。本格的には8月以降ととなり、果実は小玉となります。また、リンゴの香りに重要な役目をするのが果そう葉です。果実との養分競合が少ない果そう葉を最も働かせることが大切です。

 ▼ 対策  
アクアマグ (液体有機酸マグネシウム) MgO 10%
落花後1ヶ月までの間に一時的に発生するような場合、1〜2回 「アクアマグ」を散布して下さい。
また、石灰の過剰な施用などでも起こりますので、葉色などから判断して散布して下さい。


果実熟期・着色促進に

   ヨーヒP12 (カルシウム配合リン酸液肥) リン酸 12%,カルシウム 3%

  《実例》 山形県立園芸試験場 「リンゴの着色促進に関する調査」


微量要素葉面散布剤肥料

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りんごふじ写真